SUPERDADDY AWARD 2021 宇田秀生選手
毎年、その年の最もスーパーダディ的人物を選出するのがスーパーダディアワードです。
2017年にプロサッカー選手の大久保嘉人さん、2018年に書道家の武田双雲さん、2019年にラグビーW杯日本代表の中島イシレリ選手、2020年に石井食品株式会社の石井智康社長を表彰してきました。
そして2021年は宇田秀生選手(東京2020パラリンピックトライアスロン 銀メダリスト)と髙藤直寿選手(東京2020オリンピック柔道男子60キロ級 金メダリスト)のお二人を選出いたしました。
表彰式においては、SDAの常任理事を務めるフリーキャスターの小森谷徹氏が、スーパーダディアワードの象徴であるワシのトロフィを授与しました。
受賞直後の宇田秀生選手からの動画コメントはこちら ↓
インタビュー全文
ーー宇田選手にとって家族はどんな存在でしょうか?
原動力ですね。頑張るための、苦しいトレーニングを乗り越えるための原動力です。
ーー家族の笑顔が見たいのか、それとも家族が後ろにいてそれをしょっているという責任感、どちらでしょうか?
圧倒的に笑顔が見たいですね。自分の頑張っている姿を見てもらいたい、かっこいいとこを見てもらいたいです。
ーー家族のために、と思うようになったきっかけはありますか?
この右腕を失ったときですかね。
ーー右腕を失ったことは、ご自身の中でも衝撃だったでしょうけども、奥様はどのような様子でしたか?
割とどっしり構えていました。僕よりも。
ーー結婚したばかりで幸せの絶頂にいた時に右腕を失われたわけですが、どのような気持ちでしたか?
ショックは大きいですけど、結婚してすぐだったし、お腹にも赤ちゃんがいたので。
でも、それほどくよくよめそめそはしなかったですね。強いのか、ちょっとバカなのかわからないですが。妻に対して申し訳ない気持ちの方が大きかったですね。
奥さんも僕の前ではどっしりと受け止めていましたね。見えないところでは泣いていたかもしれないけれど。
ーーどうしてスポーツを頑張ろうと思ったのですか?どこからその原動力うまれたのですか?
事故にあう前からですが、もし子供ができたら、自分が楽しんでいる姿を見て育ってほしいな、という思いがあったので、今はスポーツをやっていますけど、他のことをやっていたとしても全力で楽しくしていたいと思います。
ーーお子さんは、お父さんの姿を見て、トライアスロンをやりたいといいますか?
やりたいと言っていまして、上の子は一度5歳の時に大会に出場したことがあります。2位でした。僕と一緒ですね。
ーー父親として、家族の中での役割はなんだと思いますか?
僕の勝手な思いですけど、子どもって嫌でも親に似てくると思うんですよね。背中を見て育つといいますか。子どもにこうなって欲しいという像に、自分自身がなる。それしかできないかもしれないですね。
ーー子育てにおいて、お父さんは背中を見せる。お母さんはどういう感じでしょう?
3兄弟だと思って育ててますね。長男が僕で1番厄介ですね。家にいないし、ご飯いっぱい食べるし。子どもと一緒にいるときは全力で楽しんでいます。
ーー夫婦喧嘩はよくしますか?
少ないほうだと思います。僕がわがまま言ったり、すねたりすることはありますが。
ーー子どもたちが大人になる頃の日本はどうなって欲しですか?
人に対してあたたか国であって欲しいですね。みんなが思いやりを持った国であってほしいなあと思います。今コロナ禍ということもありコミュニケーションが少ないじゃないですか。コミュニケーションが多い、素敵な国になってほしいなと思います。
ーーそのために必要なことはなんだと思いますか?
お互いがお互いを思いやる気持ち、それだけで全部オッケーなんじゃないかなと思いますね。分かり合うまでは難しいでしょうけど、興味を持ち合う。それに尽きるんじゃないですか?それは、障害を持った人への対応だったり、行動にも繋がるんじゃないかなと思います。
ーー障害を持つ人との距離感をこうしてほしいとか、こうだったらいいんだけどな、といったことに関しては、パラリンピックで知名度を得た宇田選手みたいな人が発言していくことも大事かもしれないですね?
そういう発言権をゲットできたっていうのは、メダルをとって一番嬉しいことかもしれないですね。
ーーパラリンピックに出場してメダルをもらう前ともらった後、家族の雰囲気、接し方など、変化があったら教えていください。
変わらないかもしれないです。あきちゃん(妻)が若干優しくなった気はします。子どもたちは、お父さんすごいと最初は言っていましたね。それも一瞬でしたね。もういつも通り、遊ぼうぜ、という感じです。
パラリンピックで競技する姿は、カッコ良かったと言ってもらえました。その言葉に救われますね。
ーー今後の目標を教えて下さい。
パリまでは全力で走ろうと思っていますし、長い目で見ると、ちゃんとパラスポーツで自立している1選手になりたいです。家族みんなで好きなとこ行って好きなものを食べられるくらい。そうできるくらい自立できるんだよっていうのを体現したいですね。
ーーご家族にメッセージをお願いします。
あきちゃん、こたろう、けんちゃん、いつもありがとうございます。本当に感謝しています。もうちょっとパリまで頑張ろうかなと思います!
ーー世のお父さんたちに向けて、メッセージをお願いします。
とにかく自分が楽しむことじゃないですかね。それが家族みんな幸せになる秘訣だと思います。
子供のためにと頑張って無理する人もいると思うんですけど、自分が辛くなって笑えなくなってしまうのではないかと思います。子どもって親の表情をよく見ているので。
子育てをしていると色々あると思いますけど、あまり考えすぎず、気楽にやっていきましょう!楽しいむことが1番だと思います。
インタビューを終え、帰り際の宇田選手の背中には世界でたった一つのお守りがキラリと光っていました。
インタビュー:
小森谷徹(SDA常任理事/フリーキャスター)
写真:
蓮見徹(Toru Hasumi)
NPO法人スーパーダディ協会とは
パパが子育てに積極的に参加することを提案するパパによるパパのための集まり。
仕事に全力投球しつつ、仕事以外の限られた時間の中でいかに効果的に、いかに密度濃く育児や家族との時間をつくっていくかをメンバーで考え実行していきます。
子育てに情熱を燃やすパパが増えたら、ママにも子育てだけでないプラスの人生を歩むきっかけを提供できるはず。SDAには画一的な父親像はなく、まったくバラバラの個性的なメンバーたちが日々活発に意見交換をしています。
2019年末にパパたちの本音を研究する『スーパーダディ総研』を発足。父親たちの思いを調査・研究する活動を開始しました。今後の活動にぜひご注目ください!
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