NPO法人 スーパーダディ協会

「スーパーダディアワード2017」受賞 大久保嘉人×高橋一晃代表 対談インタビュー

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スーパーストライカー

大久保嘉人

「スーパーダディの

次に目指すものとは!?

 

 

スーパーダディアワード2017受賞

 

高橋一晃代表 スーパーダディ協会代表理事の高橋一晃です。スーパーダディ協会では、仕事がメインで「育児・家事」と共に「妻を大事にする」という、3つの事柄を大切にしつつ、日常のなかに溶け込むように自然にやっている、あるいはやりたいと思っているパパを増やそうと活動しています。

 

そんなパパの代表にふさわしいのは大久保さんなのではないかということで、スーパーダディアワードの第1回目として表彰させていただくことにいたしました。お受けいただきまして、ありがとうございます!

 

大久保嘉人さん(以下敬称略) こちらこそ、ありがとうございます! 本当に嬉しいです。

 

——記念すべきスーパーダディアワード第1回目の受賞ですが、率直な感想をお願いします。

 

大久保 いやあ、本当にこんな賞をいただけるなんて、素直に嬉しいですし、しかも第1回目の賞をいただけるなんて……。本当に自分でいいのかって思いますが、スーパーダディ協会の活動内容に賛同します。自分もみなさんの仲間に入れてもらいたいですね。

 

高橋 奥様が奇胎後hcg存続症と診断され、抗がん剤治療に よって髪の毛が抜けるかもしれないということで、子どもたち3人と一緒に丸坊主になって励ましたそうですね。妻思いでもあり、家族思いでもあり、それで仕事もバリバリ、ずっと第一線で活躍されてきた。そういうこところが、真のスーパーダディだということで表彰させていただくことにしました!

 

大久保 ありがとうございます!

 

心のなかでは、今でも悪童

 

——普段はどういうパパなのでしょうか? 昔は悪童と呼ばれたこともあったと思いますが(笑)。

 

大久保 ヤンチャなプレーが多かったですからね(笑)。でも、今は子どもたちが学校で何か言われると良くないので、ずいぶん減ったと思います。子どもたちのお陰で変わりました。とはいえ、大人しいプレーばかりしていてはダメなので、心のなかでは、まだ悪童ですよ(笑)。

 

どんなパパかと言えば、友だちのようなパパですかね。自分の父親がそうだったので、子どもたちとは友だちのように接して、何でも相談に乗ってもらえるようにしていきたいと思っています。

 

高橋 悪童の時代の自分がいるじゃないですか。子どもも悪童じゃないといけないみたいなところってありますか?

 

大久保 いや、特にないですね(笑)。なりたければなってもいいですけどね(笑)。やっぱり、親である自分を見て育つと思うので、今、自分が悪童的なプレーをしなければ、そうはならないのかなと思います。

 

自分がいっぱいレッドカードもらったシーンは見ていないのですが、ユーチューブの動画を見て知ってはいるみたいですけどね(笑)。

 

高橋 子どもはいつ、グレるかわからないですからね。

 

大久保 グレるのだけは嫌ですね。グレないように何かひとつのこと、サッカーだったらサッカーに一生懸命、打ち込んでくれるようになって欲しいと思っています。

 

ケンカはやり過ぎない程度にドンドン!

 

高橋 私たちスーパーダディ協会では、“子どもに媚びない子育て”というのを推奨していて、親の世界、オトナの世界にもどんどん積極的に連れて行くようなことをしているのですが、そういうことはやってらっしゃいますか?

 

大久保 一緒に食事に行くといったことはけっこう多いですね。親は飲みながら、そこに子どもたちもいるみたいな感じです。自分が子どもだった時の親もそうだったので、それが当たり前というか。だから自分も同じようにしたいと思っています。

 

家で食卓を囲むのもいいのですが、外に連れていくことも必要かな、と。子どもにとってもいろんな経験になっていいと思っているので、積極的に連れていきます。

 

——今年3月に四男が生まれて、全員、男の子ですよね。4人の男の子の父親というのはどうですか?

 

大久保 子ども同士は毎日、ケンカしています(笑)。長男と次男がケンカしていて、終わったと思ったら次は次男と三男がケンカして……。それも終わったと思ったら、今度は三男と長男がケンカとか。そんな感じでずーっとケンカが絶えなくて。子どもたちは毎日、妻に吠えられています(笑)。

 

そんな状態なので大変ですが、男同士だから毎日が本当に楽しいですよ。ケンカもやり過ぎない程度であれば、ドンドンやれっていう感じです。四男も参戦するようになったら、どうなることやら(笑)。

 

何でも相談に乗ってやれる父親に

 

——大久保さんご自身が子育てでこだわっていることは、ありますか?

 

大久保 先ほども言いましたが、子どもたちとは友だちのように接したいということだけ。それをずっと目標としてきて、今、自分の理想に近づいている感じです。

 

——友だちのようにというのは?

 

大久保 何でも言い合えるような関係ですかね。男として恥ずかしいことがあったら、父親には言えないこともあるじゃないですか。そこを何でも話してくれて、相談に乗ってあげることができる父でありたいと思っています。

 

相談してくることがあれば真剣に話を聞いて、シッカリ受けとめた上で一緒に考えて相談に乗ってあげる。何でも僕に話してくれるような子どもに育って欲しいと思っています。

 

子育ては夫婦の連携プレーが大事

 

高橋 スーパーダディ協会のメンバーも、みんな仕事は当然で子育てもバリバリやっているのですが、日々、悩んだりすることも多いんですよ。子どもの叱り方は、けっこう難しい部分もあると思いますが、大久保さんはどうですか?

 

大久保 難しいですよねぇ~! 自分も叱ることはよくあります。1回言っただけではだいたい言うこと聞かないし(笑)、2回、3回言っても聞かないとなると、ガツンと叱ります。でも、言い過ぎたかなという時は、息子はだいたい子ども部屋に逃げていくので、妻に「フォロー入れておいて」とお願いすることが多いですね。

 

逆に、妻が言い過ぎたときは、今度は自分がフォローする。子どものそばに行って慰めて、いろいろフォローしながらジックリ話を聞きますし、妻がフォローを入れてくれたときは、その後に子どもたちに「ちょっと言い過ぎたね。僕が悪かった」などと謝るようにしています。

 

高橋 サッカー選手独特の子育てに役立つ感覚みたいなものがあるのでしょうか?

 

大久保 そういう意味では、連携プレーですよね。子育ては、夫婦での連携プレーが大事かも(笑)。

 

男同士の叱り方

 

高橋 ちなみに、ガツンと叱る時というのはけっこうマジですか!?

 

大久保 さすがに悪童と呼ばれた頃のようなことはないですけどね(笑)。試合中みたいにアドレナリンが出ていないので。でも、けっこう真剣に叱りますよ。

 

高橋 僕も愛のムチじゃないですけど、さじ加減が難しいなあと思いつつ、たまに「お前、ふざけんじゃねえぞ!」と、ぶつかり合う感じで叱ることもあります。大久保さんはどうですか?

 

大久保 僕もそんな感じですよ。普通にゲンコツでドーン! ということもありますし。でも、子どもたちはいつものことなんで、慣れちゃっているんですよね(笑)。「絶対に痛いやろ、コレ」って思うこともあるんですけど、ぜんぜん平気です。

 

高橋 それもひとつのスーパーダディだと思うんですよ。僕も大久保さんも男の子を育てているということもあると思いますが、やはり、親の愛のムチがあるほど、男の子は強くなっていくと思います。

 

大久保 それは本当に日々、感じますね。

 

高橋 だから、男の子の場合は、家のなかで父親が遠慮して優しく諭しているだけではダメだと思うんです。

 

大久保 それだと、男同士の場合は叱る意味がないことのほうが多いと思います。

 

高橋 男同士だからわかる感覚だと思いますね。

 

大久保流夫婦ゲンカの乗り越え方

 

高橋 ちなみに奥さんとは夫婦ゲンカしますか?

 

大久保 もちろん、しますよ(笑)。そんなに激しいケンカはないですが、普通に。最近は、子どもの叱り方で意見が違ったりして、それでケンカになることが多いですね。

 

高橋 夫婦ゲンカの乗り越え方として大久保さん流の何かありますか?

 

大久保 子どもと一緒に逃げちゃう(笑)。男同士で仲間になって、妻のカミナリが落ちると、子どもたちを巻き込んで全員で逃げるというのが一番、いいですね。

 

高橋 これもまた、上の息子さん3人と男同士4人でチームプレーですね?

 

大久保 そうそう。だから、そういう時は男同士ってイイなあって思いますね(笑)。

 

家族円満の秘訣は?

 

——大久保さんと言えば、奥様が奇胎後hcg存続症と診断されたとき、子どもたちと一緒に丸坊主になったことが話題になりましたが、子どもたちと話し合って決めたのでしょうか?

 

大久保 最初は、僕が練習後に坊主にして帰宅して、子どもたち3人ともいたので、1人ずつ呼んで話をしました。ママがこういう病気で治療の薬で髪の毛が抜けるかもしれない。だから、男みんなで坊主になってママを励ましてやろうって。

 

それで、「坊主にできる?」って聞くと、3人ともみんな、「すぐにやる!」って言ってくれました。本当に嬉しかったのですが、息子たちの気が変わらないウチにやったほうがいいだろう、と。イッキに3人とも僕がバリカンで丸坊主にしました(笑)。

 

髪の毛が抜けるかもしれないと聞いたので、妻も不安に違いない。だったら、先に男たちで坊主にして、妻に笑顔になってもらおうっていう気持ちでやりました。僕らの丸坊主を見て、妻は笑ってくれたんですよね。もう、それだけで、丸坊主にして良かったな、と。

 

高橋 家族円満、夫婦円満の秘訣などありますか?

 

大久保 やっぱり、なんだかんだ言っても「奥さんの言うことを聞く」ということですかね? 今、一番下の子どもはまだ母乳で育てているので、奥さんは付きっきりになるじゃないですか。上の3人の子どもを見る余裕はないので、僕が見るようにしています。

 

そこで、妻が「髪を切りに行っておいで」と言えば、子ども3人を連れて美容室に行くとか、そういう感じでいつもやっています。

 

父親としての幸せがマックスになる瞬間

 

——普段のパパぶり、スーパーダディぶりというのは、どんな感じですか?

 

大久保 主に子どもの習い事の送り迎えをしています。上の子ども3人ともサッカーをやっているので、送ったついでにサッカーの練習や試合をけっこう見たりしています。あと、参観日は積極的に行くようにしていますね。

 

——学校の行事など、4人もお子さんがいたら、大変そうですね(笑)。

 

大久保 でも、楽しいっすよ! 上の子どもたち3人、それぞれに性格が違うので飽きないですよね。学校へ行って、絵を描いているのを見たりしたら、「あ、こんな絵を描けるんだ」とか。授業参観で授業中の態度などを見ていて「へぇ~、こんな感じなんだ」とか、それぞれに発見がありますから。

 

高橋 僕も子育てに積極的に関わっていると楽しいんですよ。スーパーダディ協会では、もっと多くの父親に「子育てって楽しいですよ」ということを知ってもらいたいと思っています。

 

大久保さんがスーパーダディアワードにふさわしいと思ったのは、まさにその部分。子育てって楽しいと思っているところですよね。4人の男の子がいて大変でしょうが、それでも心から楽しんでいるところが素晴らしい。

 

高橋 息子は今小学校2年生ですけれど、息子が動いていると、「あれ? オレと似てるなぁ」と思うことがよくあります。その瞬間、自分が忘れていた子どもの頃の感覚をふと思い出すといったことがあります。そういうことないですか?

 

大久保 ちょっとしたしぐさだったり、発する言葉が、「あ! オレだな!」って思うことがよくありますね。

 

特にサッカーの練習や試合を見ていると、走り出すフォームだったり、シュートするフォームなどがすごく似ているんですよ。その時は、何ていうか……、幸せだなあって感じます。父親としての幸せ感が、マックスになる。3人とも動きが自分にソックリですが、特に次男が一番似ていますね。そんな話が子育て中のチームメートとは一番、盛り上がったりしますね。

 

目指したいスーパーダディ像

 

高橋 男が家庭のなかでこうありたいという、哲学というほどでもないですけれど、大久保さんなりの目指したい父親像みたいなものはありますか?

 

大久保 家庭のなかでは、ドシッと構えて、「オレが一番だ」というふうにしたいと思っています。そこはこだわっているところかもしれないですね。自分の父親もそうだったので。それを今、4人の男の子の父親となって、同じように存在感を示せているとは思います。

 

高橋 だからといって、威圧感のある父親ではないですよね?

 

大久保 もちろん、そうです。オレが一番だという気持ちはあるけれど、子どもだちとは友だちのように接する。パパを怒らせたら怖いけど、何かあったら頼りになると思ってもらえる存在でいたいですよね。だから、何でも相談できるような関係でいたい。

 

高橋 それには何が必要かというと、やはり、日ごろから子どものことをよく見ていないといけないと思いますが、どうでしょうか?

 

大久保 本当にそうですよね。子どもと常に接して、信頼関係を作っておかないといけないと思います。

 

予定がなければ子どもを誘って出かける

 

高橋 ちなみに、仕事と家庭のワークライフバランスとしては、どんな感じですか?

 

大久保 仕事であるサッカーの時間が一番少ないですね。割合で言うと、仕事2割くらい。あとの8割は子育て。子どもと接している時間が圧倒的に多いと思います。仕事以外の時間は、ずっと子どもと接しているという感じです。

 

サッカー選手は練習や試合で忙しいと思われがちですが、試合のない日は午前中で練習が終わるので、午後はプライベートの時間なんです。だから、昼過ぎからは子どもと一緒に過ごすことのほうが圧倒的に多い。

 

せっかく子どもと過ごす時間があるのに、何もしなかったらあっという間に過ぎていってしまうので、もったいないじゃないですか。だから、子どもと一緒に何かをしたい。一緒に何かすることで、子どもの成長を肌で感じることができるし、いろんな発見があるから楽しいですよね。

 

だから、何も予定がなかったら「どっかに出かけよう!」って誘うんですよ。「みんなで行こうよ!」って声をかけていますね。

 

高橋 まさにスーパーダディ的なお話、ありがとうございます! 記念すべき第1回目のアワードを大久保さんに受賞いただいて、本当に良かったです!

 

大久保 ありがとうございます!

 

【スーパーダディの次に目指すもの】

 

——最後に、記念すべき第1回目のスーパーダディアワードを受賞した大久保さんは今後、スーパーダディとしてどう進化していくのでしょうか?

 

大久保 スーパーダディの賞はいただいたので、次は子だくさんの“ビッグダディ”を目指していきたいですね(笑)。というのも、5人目をすでに考えていますから。女の子がどうしても欲しいんですよ。だから、女の子が産まれるまで頑張ります! 5人目も男の子だったら、6人目に挑戦すると思います(笑)。

 

女の子が産まれるまで、家族みんなで仲良く、夫婦も仲良く楽しい毎日を過ごしつつ、スーパーダディとして精進すると共に、ビッグダディ目指して頑張っていきたいと思います!!

 

高橋 日本を代表するスーパーストライカーでありながら、スーパーダディに加えて、ビッグダディ! もう、こうなったら、最強のダディですよね(笑)。ありがとうございました!

 

 

 

構成・文:國尾一樹(スーパーダディ協会)
写真:healthy
プライベート写真提供:大久保嘉人公式ブログ