NPO法人 スーパーダディ協会

「スーパーダディアワード2018」受賞  武田双雲 × SDA代表・高橋一晃 対談インタビュー『ポジティブな子育てを実践する武田双雲さんが語る「これからの新しい父親像」』(前編)

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スーパーダディアワード2018を受賞した書道家の武田双雲さんのアトリエにお邪魔して授賞式後、SDA代表の髙橋一晃代表との対談を行いました。その時の熱い語らいの模様を前編・後編の2回に分けてお伝えします。

 

【子どもの成長にいつも感動してきた】

SDA代表・髙橋一晃(以下、髙橋) 武田さんの著書『「子どもといること」がもっと楽しくなる 怒らない子育て』やインタビュー記事などを読ませていただいて大変共鳴いたしましたので、ぜひ、スーパーダディアワードをお受けいただきたいと思いました。快諾いただきまして、ありがとうございました!

武田双雲さん(以下、敬称略) 光栄でございます!

髙橋 お気持ち的にはどんな感じでしょうか? 

武田 急だったから、最初は意味がわからないというか(笑)。別に僕は子育てをしっかりとやってきたつもりがないというか、「こういうスタイルでいこうぜ!」ということもなく、ただただ、子どもに感動し続けているだけなんで子育てには苦労していないんですよね。ワーワーワーワーやっていたら楽しくて幸せになり、子どももいい感じで育ってきている。それだけも幸せなのに、表彰までしていただけるなんて、二重にハッピーという感じですね。

 

髙橋 僕たちスーパーダディ協会(SDA)のメンバーの職業はそれぞれ違うので、子育てのやり方や考え方、家のなかで何をするのかといったことも違います。でも、僕らが共通して大切にしているのは、その家庭それぞれのスタイル。なかでもスーパーダディっぽいという意味で最も意識しているのは、「前向きに子育てをする」という部分なのかな、と主マス。そこで、いつもポジティブな子育てをされている武田さんにとても共感いたしました。いつも前向きに子育てをしていらっしゃるんですか?

武田 前向きですね。というか、前向きしかない……、という感じですね(笑)。そもそも、ネガティブな感情になることがほとんどないというか。両親は僕の存在そのものに感動し続けて育ててくれたんですよ。だから、いっさい怒られたこともないし、アレをしろ、コレをしろと言われたこともない。富士山を見たときの感動ってあるじゃないですか。あんな目でいつも見守ってくれていました。

親はよく夫婦ゲンカをしていて激しかったけれど、ただ、僕に対しては大自然を見るような目、尊敬の目で見てくれていたので、自然と僕も両親をリスペクトするようになって信頼関係を築いていったと思います。だから、僕も子どもに対しては同じような感じで接しています。子どもの日々の成長を見て「スゴイなあ!」とか「なんて可愛いんだろう!」とか、常に感動してきました。

 

【子どもは親の想像を超えて育つ】

武田 自分が子どもをどうこうしようとすることは一切ありません。だから、子育てもポジティブでいられたのだと思います。子どもに対して変に期待することがない。子どもってただただ、怒る、泣き叫ぶ、わがままを言うとか、反抗期とかあるじゃないですか。そういうところについイラっとしてしまいがちですが、私は理系人間なので、冷静にひとつの化学反応的な現象として分析するように見てしまうんです。

髙橋 子どもの動きとか行動などですか?

武田 子どもが何かしでかしたとしても感情的になるのではなく、ついつい眺めてボーッとしてしまうことが多くて。「パパ、話聞いてよ!」ってよく言われるんですけどね(笑)。ただただ、子どもを眺めているだけで感動しちゃうということが続いて、今に至るといった感じです。

でも、3人いる子どものうち、1番下が幼稚園に通うようになっちゃいましたから、子育てが終わってしまった気分なんですよ(笑)。朝はけっこう時間があるので、1番下の子と二人でいつもどこかに出かけていましたが、今は一人っきり。ちょっと寂しいですね。

髙橋 確か、1番上のお子さんが中1でしたよね?

武田 1番上が中1の男の子で、2番目が小4の女の子です。長男は、僕と妻の想像をはるかに超える子どもに育ってしまったんですよね。小学生の時に生徒会長になりましたし、中学生になったら生徒会に入って「学校のビジョンを根底から変える!」と学校改革に取り組んでいます。僕と妻は持ち合わせていない、けっこうな社会派に育ったみたいです。

勉強をしろと言ったこともないのに、自分でシッカリ勉強しているみたいです。逆に僕は一緒に遊びたいから、そんなに勉強しないでとか、塾行かないでって親が止めるくらい(笑)。でも、僕は塾に行きたいんだけどって。興味のあることなら、自ら学ぶような子に育っているようです。

 

【わが子がもたらしてくれる「アニュー」という感覚】

髙橋 僕はテレビ屋なんですけれど、子どもと触れ合うこととか子育てのことが番組に反映されたりします。書道家として子育てに関することが自分の作品に反映されることってありますか?

武田 めちゃくちゃ反映されていますね。僕らはどんどん社会の常識にまみれていって大人になっていくじゃないですか。汚れているとまでは言わないけれど、色んな意味で大人になりますよね。それを子どもはガッと戻してくれる存在です。

やはり、アーティストとしては純粋性みたいなもの、例えば、初めて赤ちゃんが自分の手を見つめるときの表情がすごく好きなんです。そんなシーンにアコガレているというか……。それを、英語で「anew(アニュー)」と言うらしいんですけどね。すべての世界が新鮮だという意味の言葉。そのアニューな感覚を僕は子どもたちから教えてもらっています。

3人ともそうだったし、その感覚に常にアコガレているところがあるんです。そこがアーティストとしての理想でもあるので。だから、スゴい書を書きたいというより、アニュウな感覚になりたくて書をやっているというところがありますね。

髙橋 なるほど、作品作りと子育てがそういうところで繋がっているんですね。

武田 そういう意味では、アーティストにとって子どもが師匠であり、ゴールなんですね。子どもと一緒にいるだけで僕の純粋性を呼び戻してくれますから。

 

【子どもの成長に期待はしないが喜びでもある】

武田 子どもは成長と共にしっかりしてきますよね。「パパ、こういうときは靴を揃えるんだよ」と言われるみたいなことになるんですよ(笑)。

髙橋 僕もそうなんですけど、何か子どもに躾としてやっていたことを逆に注意されると、何だか嬉しいところもありますよね。

武田 その気持ちわかります。「パパ、今日、掃除しよう」と言うので、「どうして?」と聞くと、「掃除すると神様がやってくるんだよ」って。そこで、「マジっすか!?」って(笑)。ありがたいなぁ、神様がやってくるんだって。子どもって、どこで習ってきたのか知らないけれど、ドキっとすることをたまに言うじゃないですか。

 

髙橋 脱ぎっぱなしの洋服とかあると、「ダメでしょ!」って息子に叱られて、「あ、なんか良かったなあ」と息子の成長を感じることができる。ちょっと矛盾しているのかもしれないのですが。武田さんも子どもの成長を感じることってありますか?

武田 それは日々、感じます。そんな言葉をどこで覚えてきたんだろうとかね。

髙橋 お子さんの気持ちとか考え方、子どもの童心的なところを大切にしているとおっしゃっていたので、成長はあまり感じないのかな、と。

武田 いえ、成長は感じます。期待はしていないけれど、子どもはその時々で成長していくものだし、やはり、成長は親にとっては喜びでもありますから。

髙橋 普段からお子さんとはよく遊ぶんですか?

武田 そうですね。僕はなるべく自由な時間を作るタイプなんですよ。1日ひとつしか作品を書かないとか、できる限り、仕事の時間を少なくしたい。書道で言う“余白を作る”タイプなので。

髙橋 一点集中型ですか?

武田 そうですね。でも、今は子どもが大きくなってきたから、さすがにもうちょっと仕事の量を増やそうかなと思っていますけどね(笑)。1番下の子が幼稚園に通うようになったので、1人でボーッとしていてもなあ、と。

 

【親になって変わること】

髙橋 お子さんが生まれる前と後で、感覚的に何か変わったことはありますか? 生まれる前はどうだったのでしょうか?

武田 もっとギラギラしていましたよね。30歳の時に長男が生まれたんですけど、僕は25歳で独立して5年間、首輪の切れた犬じゃないですけど、走り続けている感じでした。どこか空中にパンチを打つみたいな感じ(笑)。だけれど、長男が生まれたことで、そのギラギラが取れた。

髙橋 ギラギラというのは、生きるギラギラ感ですか?

武田 いきがっているし、野心とか欲望など、普通の若者としては当たり前としてある枯渇感もあっただろうし。そういった感覚が子どもが生まれたことによって薄れた。ロケット噴射の第一弾が終わったみたいな感じ。第一弾が終わって、第二弾に入ったのかな? やはり、心からの愛情とか、リラックスする感覚みたいなモノを子どもから教えてもらったような気がしています。

髙橋 ご自身の作品を振り返ると、そういう感覚が作品に現れているんですか?

武田 現れますねぇ。

髙橋 へえ〜、これからそういう目線で武田さんの作品見てみたくなりました(笑)。

武田 長男が生まれてから変わってきているのかもしれないですね。無意識のうちに父親に影響されて育ち、さらに子どもが生まれたことによって自分の父親と近い感じで関わる。特に、人当たりに関しては間違いなく丸くなっていますよね。

髙橋 ちなみに、奥さんと育て方で衝突することはありますか?

武田 ありますよ。衝突だらけです(笑)。と言いますか、僕が怒らないタイプだから、ケンカにはならないぶん、議論が多かったですね。やはり、妻のほうがネガティブになりがちなんですよ。男って「まあまあ」となるので。

妻のほうが心配性で、手をかけすぎたり怒りすぎたりする。そこで、「何で怒るの?」って言ったら、僕が妻に怒られる、みたいな(笑)。そんな感じで長男が生まれた頃は衝突もありましたが、3人目ともなるとお互いにゆとりを持って子育てするようになれました。その体験から、子育てや夫婦に関する本が生まれたんです。

僕は理系出身なので、夫婦ゲンカも科学的に細かく分析するんです。このパターンは妻と僕だけのパターンなのか、それとも世間一般的なパターンなのかなど、パターン認識から始めるんですね。すると、けっこう同じパターンが存在するとわかってきた。僕と妻の関係性は、人類の普遍のパターンなんじゃないかと。僕ら夫婦が特殊なのではなく、どこの夫婦にもありがちな“あるあるパターン”だったということがわかった。じゃあ、どうすればいいのかということを自分なりに研究して、実践しつつ解決できたことをブログや本に書いたりしてきました。

 

【誰かが言い続けないと男は気づかない】

髙橋 スーパーダディ協会の考え方のひとつに、僕ら男って1人の人間として勝手に生きたいと思っているところがありますよね。自分の感覚を信じて生きていきたいと言いますか……。

武田 スタイルとして、男のプライド的なモノもありますしね。

髙橋 まだ子どもがいない時は夫婦2人だけの世界があって、ものすごく楽しい。子どもが生まれると、夫は子どもに愛情を注ぎ過ぎると、妻は「私のことはどうなの?」ってなりがちです。僕はそこに気づいたので、妻にもっと時間を作ってあげるようにする努力をしたり、もっと妻を大切にしてあげないといけないなって思うようになったんです。

そう思って自分が子育ても家事も積極的にするようになると、妻に時間ができて、仕事などやりたいことができるようになる。「妻の人生も考える」ということもスーパーダディとしては大切にしていきたいと思っています。そのあたりに関しては、どう思いますか?

武田 それは素晴らしい考えだと思います。ただ、私の場合は理系ということもあって、妻が研究対象というか(笑)。あらゆる化学実験をするわけです。例えば、共感してみたり、妻に時間を作ってみる、自分でパパ友を集めて1〜2日、子どもの面倒を見るから旅行にでも行っておいでとか。

あと、僕の書道教室には300人くらいいて、女性が多い。女性の話をたくさん聞いて自分なりにビッグデータとして集め、夫婦研究と子育て研究をすると面白いんです。とにかくたくさん情報を集めて分析し、実践するということをしていましたが、それでもなかなかうまくいかない。何で妻が怒っているのか、わからないことのほうが多かったですね(笑)。

やっぱり、男ってなかなか共感できないんですよ。相手の立場に立とうと全力で頑張ってみても、立つことができているのは1%くらいでしかない。それくらいしかできないのも無理はない。だって、性別が違う生きもの同士ですからね。

夫が「やってあげている」と思っていると、妻は余計なお世話だと思う。こっちが努力してみても、向こうには意外と伝わっていなかったりもする。

髙橋 思ったより難しいことで、やったことがある人にしかわからないことってありますよね。

武田 妻の立場に立つということは言葉では簡単だけれど、本当にやろうとすると男に余裕がないとなかなかできなません。仕事でいっぱいいっぱいだと、妻の立場になんてとても立てない。そんななかで、髙橋さんみたいに仕事だけでなく育児も家事も頑張るパパがどんどん出てくることは本当にいいことだと思います。こういうことは誰かが言い続けていかないと、たぶん、男は気づかないんですよね。なかなか情報として入ってこないことでもありますから。

僕らのように昭和世代のお父さんに育てられた者としては、育児も家事も楽しんでいるお父さんなんて聞いたこともないし、そんな発想もなかったわけですよね。だからこそ、僕もスーパーダディ協会のみなさんと一緒にポジティブな子育てをするための情報を発信していきたいなって思っています。

 

【仕事も父親もうぬぼれないでやる】

髙橋 武田さんがスーパーダディのアワードにふさわしいと思ったのは、子育てをポジティブに楽しんでいらっしゃるということと、自分の仕事に子育てが絶対に役立っているんだろうな、と思ったからなんですよね。そういった武田さんの考えを知った人が、そうなんだ、もっと子育てしようかなと思ってもらいたい。

子育てにあまり関わらないパパがまだまだ多いので、「子育てをすると人生楽しくなるぜ!」っていうことや、仕事に活かせる能力が身につくかもしれないといったことを1人でも多くの男性に知ってもらいたいと思います。子育てを苦もなく楽しみながら励むと言いますか、普通にスッと入り込めるような入口をたくさん作っていきたいんですよね。そういう意味でも武田さんの話をお聞きすることができて、すごく嬉しいです。

武田 僕はずっと幸福研究みたいなことをしているのですが、続けていると、「この人、本当に幸せなのかな?」っていうところに着眼して見ることが多いんです。世界中を色々と回って、活躍している色んな人にインタビューをし、家族研究みたいなこともしてきましたが、仕事が成功している人が必ずしも家族が平和ではないということがわかってくる。仕事の成功と家族の平和がまったくリンクしていないんですよ。

例えば、年収が1億円という起業家とかハリウッドスターに会ったりしても、意外と家庭がボロボロだったりするじゃないですか。そういう人ってけっこういますよね。それって何の意味があるのかな、と。仕事で大成功しているのに家庭はボロボロ。それで、自分から遠い存在の人からは賞賛はされるけれど、最も近い存在の家族からはまったく賞賛されない状況って最悪だなって思った。言い方が悪いかもしれないけれど、そんな人は何のために成功したのか、ぜんぜんわからない。

やはり、1番身近な存在である家族から始めないと。内側の円から始めて、そこから外側の円に行くわけですからね。そういう意味では僕自身もたくさん失敗してきました。やはり、若いときは全然、妻の気持ちを理解できなかったところもありましたし。

僕は熊本県出身の九州男児で、男子兄弟のみで育った男子校出身者。一方、妻は女子のみの姉妹で育ち、鎌倉の家でお嬢様的に育った女性です。文化の違いはかなりあったし、子育ての考え方も大きく違ったので、勉強する必要性がありました。それがわかったとき、腹を据えて家族を幸せにしようといった覚悟みたいなものができた。決まるまでに時間はかかりましたけどね。

髙橋 武田さんも私と同じように、あるときに気づきがあったということですね。

武田 とはいえ、すぐにうぬぼれちゃうんですよ(笑)。僕は本も出しているし、オレほど妻のことをわかっている男はいないと思っちゃうし……。オレほどいいお父さんはいないとも思っちゃうんです(笑)。男って、休日シッカリ子どもと遊んでいると、「オレって最高のパパだよなあ!」ってなりがちでじゃないですか。でも、妻からの評価って、意外と低かったりします(笑)。

だから、うぬぼれては鼻をへし折られながらも、子育てについてブログで書いたりしているうちに子育ての悩み相談が寄せられるようになっていった。相談に答えてきたりもしてきたなかで、やっぱり、仕事と一緒で改善とか、反省といったことが男には必要なのかな、と思うようになりました。謙虚にうぬぼれずにやる。それは仕事でも同じことなので、父親をすることも一緒なんだろうな、と。

ある意味、家庭での成功というのは、お互いが愛し合っていたり、尊敬し合っていたり、感謝しあっていたりというのが理想型であり、本当の意味での家族の幸せなのだと思います。まずは、そこに向けて飽くなき探究心を持ち、日々改善していければいいなあと思っています。

 

【これからの社会で大切なのは幸福度】

髙橋 日本は少子高齢化がますます進んでいく。生まれてくる子どもの数が増えないわけですから当然、国力も落ちるでしょう。そうなった時に少人数でも1人ひとりの子どもたちに力があれば、少数精鋭でもいいんじゃないかと思ったりもします。

武田 数ではなく、クオリティということですね。

髙橋 やたらと国は子どもを増やせ増やせと言うけれど、それってカンタンなことじゃない。そうなった時に、ママに任せっきりにするのではなく、パパも同じように力を注いで子どもを育てるほうがいいのではないかと思うんです。

武田 僕は書道教室もしているアトリエで企業の経営者が学びに来るようなワークショップを定期的にしています。リーダーシップ研修として参加しているのですが、日本を代表する大企業の役員とか経営者ばかりです。企業経営においては、これまでは売上至上主義、つまり、数字を上げることが是とされてきて、勝つためには数字を上げなければいけないとなっていた、と。ところが今は、幸福度至上主義にシフトしているところだと口を揃えるんです。

日本の投資家はまだそこまでではないかもしれませんが、外資系の投資系ファンドの人たちの半分くらいは、企業の幸福度チェックを重視しているんです。幸福度というのは、まさに家族の在り方でもあるわけですが、売上の数字よりも、そっちのほうが力があるんだということになってきている。

というのも、3年前くらいから、企業において大きなパラダイムシフトが起こっているんです。それは何かと言うと、昔は幸福度なんていうのはメセナ(企業体による芸術・文化の援護活動)みたいなモノで、ちょっとしたオマケ的なモノというか、体裁を繕うとか世間体のためのものでしかなかったんですよね。

ところが、今は社員が幸せなほうが企業の利益が上がるということがデータとしてはっきりとわかってきた。そうなると、絶対に株主も経営者も幸福度を上げるために全力を尽くすようになるじゃないですか。実は、その幸福度を上げるような活動というのが、スーパーダディ協会の活動と同じなのではないかと思っているんですよね。

髙橋 確かにそういう部分もあるかもしれないのですが、武田さんに言われるまで、ぜんぜん気づきませんでした(笑)。

 

【家庭が平和な人は幸福度が高い】

武田 とにかく、時代が変わったんですよ。僕はカリフォルニアに本社があるアウトドア用品メーカーのパタゴニアとかフェイスブックの役員の方たちにもお会いしたことがあるのですが、同じようなことをおっしゃっていました。常に利益を追求してきた企業の経営者たちが、今は幸福度を上げるぞっていうことになっているんですよね。それは、利益と幸福度が結びついちゃったから。

それってスゴくいいことだと思っています。単なる体裁を装うものだったりして、とりあえず環境とか言っておけばいいといったことはなくなり、本当に企業の利益と幸福度が結び付いてきたし、本気で取り組む経営者が増えてきた。

髙橋 企業が幸福度を重視するとどうなるのでしょうか?

武田 幸福度の高い人は家庭が平和な人です。そんな人の収入が増えれば、日々の生活のクオリティが上がり、長期的に安定して仕事ができるようになります。健康でいつも上機嫌でいられるから、仕事のトラブルも少なくなるでしょう。仕事も効率的になるので、企業の利益も上がる。一方、家庭がボロボロだと、仕事のトラブルも増えると思うんですよね。

そういう意味でも、企業では家庭を平和にすることがトップにきていて、それが人生の成功に結びつくのであれば、みんなそうするじゃないですか。

髙橋 そうですよね。社員の幸福度が高いと企業の利益も上がるというのは、すごくいいですよね!

武田 この話を企業経営者の方から聞いていて、スゴイことだなって思った。世界中の企業経営者たちがあんなに利益を上げろとばかり言っていたのに、今は必死に幸福度を上げようとしている。とても面白い現象が起きていると思いますね。

髙橋 育児や家事を積極的にやっていると、マネジメント能力が高まって仕事もデキる人になれると思うですが、どう思いますか?

武田 絶対にマネジメント能力はつきますよね。赤ちゃんみたいに理不尽な人っていないですから。理不尽な子どもに日々、対応していれば、それなりの能力が付かないわけがありません(笑)。

髙橋 家庭を平和にすることを最優先でやっていけば、仕事は自然とうまくいくようになるという流れを多くの世のパパたちが理解するようになるといいですよね。

武田 これからは、間違いなくそっちの流れになっていくのではないかと思います。だって、家庭がボロボロなのに何百億円も持っていたって、幸せになんてなれないじゃないですか。むしろ、空しさしかないですよね。何億円も湯水のように使って、プライベートジェット機に乗って、スイートルームを転々とする。でも、妻は呆れてしまっているなんて、そんな人生、嫌ですよね。

 

(構成・文/國尾一樹  写真/たつろう)

対談インタビュー後編へ続く

 

武田双雲(たけだそううん)

1975年熊本生まれ。東京理科大学卒業後、NTTに就職。約3年後に書道家として独立。NHK大河ドラマ「天地人」や世界遺産「平泉」、スーパーコンピュータ「京」など、数々の題字を手掛ける。独自の世界観で、個展や講演活動を行っている。メディア出演も多数。主宰する書道教室には約300名の門下生が通う。(2005年新規募集締切)2013年度文化庁から文化交流使に任命され、ベトナム~インドネシアにて書道イベントを開催、また、2015年にはカリフォルニア州にて個展開催など、世界各国で活動する。作品集「たのしか」「絆」や「ポジティブの教科書」など、著書も多数出版。各情報発信メディアはコチラ。「公式サイト」Twitter」Facebook」アメブロ」LINEブログ」